もの忘れをする|たぐち脳神経外科クリニック|福岡市西区拾六町の脳神経外科

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医療コラム

もの忘れをする|たぐち脳神経外科クリニック|福岡市西区拾六町の脳神経外科

もの忘れをする

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もの忘れをする

物忘れは日常診療で最もよく相談を受ける症状ですが全てが病気ではありません。加齢とともに起こる物忘れ(脳の老化現象)であるのか、認知症(脳の病気)であるかの判別が鍵です。大雑把に言えばヒントをもらえば思い出せる場合、一部分だけが思い出せないという場合の物忘れは認知症ではありません。病的な物忘れ(認知症)と判断された場合には次に治療をすることで改善が見込める物忘れか否かの判断をします。検査して頭蓋内病変が無いか、服用中の薬の中に物忘れ症状を誘発するものが無いかのチェックをします。
アルツハイマー型認知症を代表とする脳の変性による認知症はもとに戻ることはないので、早期に検査を受けて脳に萎縮がないかをチェックして認知症が軽度の段階から病気の進行を遅らせる薬の服用をする必要があります。

もの忘れの症状

人の名前がなかなか思い出せない、物をよく置き忘れるなどうっかりミス程度の軽症の物忘れから、いつも通る道で迷子になったり、自分一人でできていた着替えや排泄など日常生活動作が誰かの助けを借りないとできなくなる重症の物忘れまで様々です。

もの忘れの原因

最も多い原因は加齢です。年をとると足腰が衰えるのと同様に脳の働きも衰えて物忘れが増えます。加齢以外に糖尿病などの生活習慣病があると認知機能低下の進行が更に早まりますので生活習慣病の治療は認知症の発症防止、進行抑制のためにも大切です。
時々他疾患の治療で服用中の薬剤に認知機能低下を引き起こすものがあります。頭を打って1~2ヶ月くらい経ってから起こった物忘れの原因として頭蓋内に血液貯留(硬膜下血腫)が見つかることがあります。

治療法

治療をすることでよくなる認知症もありますので、脳脊髄液が溜まる病気(水頭症)や頭部打撲後に数週間から数ヶ月して脳表に血液が溜まる異常(硬膜下血腫)などは検査で発見次第手術が必要です。
脳の変性によって起こる認知症(アルツハイマー型認知症など)は完全によくなることはありませんので認知症の進行を遅らせるために抗認知症薬を飲む方法が一般的です。

認知症とは?

病的な物忘れのことであり、脳細胞の変性によって起こるアルツハイマー型認知症が70%を占めます。
他に脳の血管が老化して脳の血液の流れが悪くなり認知機能が低下する脳血管性認知症、手の震えや幻視がある場合にはレビー小体型認知症なども疑われます。