手足に力が入らない、 しびれる、震える
- 2022年11月29日
- 手足に力が入らない、しびれる、震える
箸やペンを落とした、落したものがうまく拾えないなどの運動麻痺、手足がジンジンしびれる、痛みや温度がよくわからないなどの感覚障害、物を持った時やじっとしている時に手が震える(不随意運動)などを主訴に来院される方がおられます。
脳卒中で起こる麻痺は殆どが片麻痺で障害された脳の反対側に起こる特徴があります。感覚障害には全く感じなくなる感覚消失、鈍くなる感覚鈍麻、ジンジンとした感覚異常(錯感覚)などがあり、障害される神経の種類、障害の程度で違いがあります。
手足の震えは不随意運動といい、じっとしている時に手足が振るえる安静時振戦や物をつかもうと動かした時に震えが強くなる企図振戦があります。
手足に力が入らない、しびれる、震えるときの症状
運動麻痺には4本ある手足のひとつがマヒする単麻痺、両足がマヒする対麻痺、片側の手足がマヒする片麻痺、全ての手足がマヒする四肢麻痺があります。
しびれも障害された神経により出現する場所と性質が異なり、震えも手足がバタバタと大きく震えるものから小刻みに震えるもの、じっとしていて震える場合や物をつかもうとすると震えるなど病気の性質により様々です。
症状の起こり方(急に起こったか、徐々に起こったか)とどこから症状が起こりどのように広がっていったかをもとに病気の性質や障害部位を推定します。
手足に力が入らない、しびれる、震えるときの原因
突然起こる脱力やしびれは脳卒中(脳血管障害)の可能性が高く、また突然手足に起こった震えがその後に全身に広がったり、意識を失ったりした場合はてんかん(脳機能障害)なども疑われます。
しびれは脳卒中以外に首や腰の脊髄病変から起こる手や足の神経障害が原因であることもあります。
治療法
脳卒中後遺症としての運動麻痺や感覚障害(しびれ)の治療は運動機能訓練(リハビリ)や温熱療法やマッサージ療法などの物理療法があります。最近では運動リハビリにロボットスーツ(HAL : Hybrid Assistive Limb)を利用した機能訓練もされて進化しています。
震えは内服治療が主体ですがパーキンソン病では脳内電極植え込み手術や脳部分凝固術を行って震えを止める治療もよく行われています。